柔らかな日差しが心地よく、春の訪れを感じる季節となりました。本日は私たちのためにこのような心のこもった卒業式を挙げていただき、ありがとうございます。理事長先生からいただいた温かいお言葉を胸に、今日、私たち121名は、夙川高等学校を卒業します。
 思い起こせば三年前の春、私たちは、真新しい制服に身を包み、不安と期待に胸を膨らませ、入学しました。中学校とは違い、教科数も増えて、勉強はますます難しくなり、慣れない環境での毎日に戸惑うことも多くありました。そんな中で行われた校外学習では、自分たちでカレーを作ったり、アスレチックを楽しんだり、クラスメイトとの交流を通して、時間を守ることや協力すること、友人を思いやることなど大切なことをたくさん学びました二年生の文化祭ではクラス単位で模擬店にチャレンジしました。誰もが初めての経験でしたが、積極的に意見を出し合って工夫を重ね、クラスがどんどん団結していくのが感じられて嬉しかったことを覚えています。  三年生では校舎が移転しました。環境が変わることへの不安もありましたが、高校生活の締めくくりとして一日一日を大切にしようと決めていました。 マレーシア・シンガポールへの研修旅行で印象に残っているのは、B&Sプログラムです。現地の学生と英語でコユニケーションを取りながら街を散策しました。私は将来、英語の教師になりたいと思っているので、大変貴重な経験になりました。また体育祭では、クラス旗の作成やパフォーマンスの練習に毎日取り組み、クラスの絆がいっそう深まりました。放課後友人と一緒に自主学習に励んだり、グランドでボールを追いかけたりしたことも楽しい思い出です。この三年間、毎日がとても充実していました。夙川だったからこそ、そして、この友人たちとだったからこそ得られた友情や思い出は、私たちにとってかけがえのない宝物となりました。また、先ほどは在校生の坂上さんから、心温まる祝辞をいただき、ありがとうございました。私たちを信頼し、ついてきてくれた後輩の存在が、三年生としての自覚や責任感、そして仲間への想いを育ててくれました。在校生の皆さんがこれからの夙川高等学校をますます盛り上げてくれることを期待しています。

 学年部長の青山先生。三年前の入学式、一年生の教室のあるフロアーで仁王立ちになって私たちを迎えてくださいましたね。その姿が怖くて怖くて、初めての体育の授業は「恐怖」でしかありませんでした。でも、本当はユーモアにあふれ、私たちのことを一番に考えてくださる先生だということがわかってきました。特に、体育祭で披露してくださった バック転の連続技はめちゃくちゃかっこよかったです。全校生徒の歓声が体育館全体に響き渡っていましたね。今年はそのために体を絞って準備してくださったと聞いて、体育祭にかける先生の情熱を感じました。青山先生は私たち全員の個性を理解し、陰ながらサポートしてくださいました。三年間、私たちの学年についてくださり、感謝しています。他にも、楽しくわかりやすい授業を工夫してくださった先生、わからないところを放課後個別に教えていくださった先生、時間をかけて進路相談に乗ってくださった先生、数え上げればきりがありません。先生方は私たちに常に寄り添ってくださいました。時には、心を鬼にして叱ってくださり、時には、根気強く話を聞き、やさしく導いてくださいました。先生方のおかげで私たちは少しずつですが成長し、自分の進むべき道を自分で決め、一歩踏み出す勇気を培うことができました。先生、三年間、本当にありがとうございました。そして家族へ。いつも私たちのために働いてくれてありがとう。朝早くからお弁当を作ってくれてありがとう。落ち込んでいる時にはさりげなく励ましてくれてありがとう。どんなに言葉を尽くしても足りません。家族の支えがあったからこそ今の私たちがいます。本当に十八年間、ありがとう。これからはお父さんやお母さんのような素敵な人になれるよう努力していきます。楽しみにしていてください。友人や先生たちとのたわいもない会話、教室中に響いていた笑い声、こんな毎日が私たちには当たり前のように思えていました。でも、それが当たり前ではなかったことに、旅立ちの日を迎えた今、ようやく気づきました。 まだまだみんなで笑いあっていたいというのが正直な気持ちですが、私たちは前に進んでいかなければなりません。これからは新たな夢に向かって日々努力していきます。夢の実現への道は決して平坦ではなく、時には孤独と闘いながら、険しい道を辿ることもあると思います。しかしどんなに大きな壁にぶつかったとしても、私たちは乗り越えられるはずです。この夙川で学んだことを自らの糧として、これから先、どんなに辛いことがあっても最後まで諦めず精一杯挑んでいきます。夙川高等学校がこれからも素晴らしい歴史を刻んでいかれますことをお祈りし、答辞の言葉とさせていただきます。

2020年3月1日 卒業生代表 山城 翔太