全校礼拝が行われました

高等学校

中学校

11月11日(水)に全校礼拝が行われました。
20150415_01 
聖書   テサロニケの信徒への手紙一 4:9-12 
メッセージ    「働く幸せ」        樋口 進 牧師

『働く幸せ』という本があります。これを書いた人は、日本理化学工業株式会社の社長の大山泰弘という人です。この会社は、チョークを作っている会社です。わたしが驚いたのは、そこの74人いる社員のうち7割が知的障害者ということです。しかし、企業としても充分成功しているのです。そして、この社長は、障害者を雇わなければならないから仕方なしに雇っているというのでなく、まして哀れみからやっているのでもありません。むしろ積極的に知的障害者を雇っているのです。彼は、次のように言っています。

「一般に、知的障害者は健常者に劣ると見られているかも知れません。しかしわたしは、彼・彼女らから、人生にとって大切なことは何か、人はいかに生きるべきかと言ったことを教えてもらってきたのです。」と。

当初、大山さんは、知的障害者は、工場でつらい思いをして働くよりも、施設で過ごした方が、彼らにとってよっぽど幸せなはずだと思っていました。しかし、彼らは施設に戻ろうとしなかったのです。なぜでしょうか?脇目もふらず、一心不乱に作業に打ち込み、休憩のベルが鳴っても手を休めようとしません。なぜこんなに夢中になれるんだろう?そして、大山さんは、次のことに気づかされた、と言います。

「上手に出来たね」「がんばったね」とほめられ、「ありがとう」と感謝され、「君がいないとみんなが困る」と必要とされたときの彼らの輝かんばかりの笑顔。嬉しそうでもあり、誇らしげでもあるその表情は、わたしに大切なことを教えてくれた、と言います。

人は仕事をすることで、ほめられ、人の役に立ち、必要とされるからこそ、生きている喜びを感じることが出来る。家や施設で保護されているだけでは、この人間としての幸せを得ることは出来ない。だからこそ彼らは必死になって働こうとする、と言います。そして、仕事は「愛」までも与えてくれる、と言います。なぜなら、相手を理解し、思いやり、励ましながら、目標に向かって力を合わせる中から、お互いを愛し愛される関係が生まれるからです。目先のことのみにとらわれるのでなく、「思い」を大事にしながら、地道に努力すれば必ず報いられる、と。そして、彼は、わたしに「働く幸せ」を大事にしたいという「思い」を授けてくれたのは、知的障害者でした。改めて、心を込めて、感謝の気持ちを伝えたいと思います、と。何事にもそうだと思いますが、「思い」とか精神というものが活動の原動力になります。マックス・ウエーバーは、プロテスタントの国で資本主義が発達し、経済的に富んだのは、なぜかということを研究し、そこには精神の作用というものが大きく影響していると言いました。中世のカトリックではいやしいものとされていた仕事が、神の召命なのだと理解されたのです。そこでプロテスタントでは労働意欲が大きくなったのです。プロテスタントと資本主義は、もともと何の関係もないのですが、プロテスタントの倫理、すなわち職業を神からの召命ととらえ、仕事をすることがいやしいことではなく、かえって神の栄光を表すものだ、と理解したために、結果的に産業が発達したということです。

先ほど読んだ聖書に

そして、わたしたちが命じておいたように、落ち着いた生活をし、自分の  仕事に励み、自分の手で働くように努めなさい。そうすれば、外部の人々  に対して品位をもって歩み、だれにも迷惑  をかけないで済むでしょう。

とありました。人間は喜びをもってなすところにやがて素晴らしい結果が与えられる、ということではないかと思います。