みなさん、こんにちは。今日は須磨学園の創立98周年を記念して、コンサートを開催いたします。コロナ禍の下でのコンサートですけれども、いささか密ではありますが、みなさん「withコロナ」を実践していきましょう。
 さて、須磨学園の「現在」は先人たちのご努力の積み重ねの上にあります。須磨学園は大正11年11月9日に創立され、大正、昭和、平成、令和と4つの時代を駆けてきました。時代が移り変わり、社会が変革するとともに学校もあり方を変えて、現在の須磨学園になりました。須磨学園高等学校・中学校、そして昨年度からは夙川中学校・高等学校も参画し、2つの場所で2つの学校を運営することになりました。決して最初からすべてが計画されていたわけではありません。その時々に求められ、必要だと考えたことを実践してきたと言っていいでしょう。
 創立100周年を2年後に控えて、最近、10年間の計画、100年後の目標を聞かれる機会が増えてきました。正直、個人的に思うことは「先のことはわからない」ということです。決して、計画や目標が必要ないと言うつもりではありません。いくら計画をしていても、目標を立てていても社会の情勢に影響されて軌道修正を余儀なくされることがあります。学校もまた社会の中にあるわけですから。それだけでなく精一杯努力をすることによって新しい道が開け思ってもいなかった展開が訪れることがあります。必要なものはざっくりとした方向性と前へ向かうエネルギーではないか、と思っています。須磨学園は道が開けることが今でも多くありました。今のこの姿は最初から計画したものではなく、思いがけない選択肢とご縁が目の前に現れたからと言っても過言ではないと思います。
 みなさん、目の前のことに精一杯取り組んでください。精一杯今を生きてください。そうすることで、想像もしていなかった予期もしていなかった道が開けることがあります。もう駄目だと思っても突破口が開き、目の前に道が見えることがあります。そしてその道を選ぶことは、例外なく、心が弾み、ワクワクするものだと思います。みなさんにぜひとも一度はそういう経験をしていただきたいと願っています。
 創立記念日のコンサートの話とはだいぶかけ離れてしまいましたけれども私の話は以上です。

2020年11月5日 理事長 西 泰子