校庭の桜は3月30日、皆さんの入学を待ちきれずに咲き誇って満開でした。この3日間、良く持ちこたえています。先ほど入学を許可された須磨学園夙川中学校、記念すべき3期生の皆さん、私達は皆さんが入学されるこの日を待っていました。ご入学おめでとうございます。私達は皆さんを心より歓迎します。これからの6年間、どうぞよろしくお願いいたします。

 保護者のみなさま、こどもさんのご入学、心よりお慶び申し上げます。これからの6年間、私達の教育活動は保護者のみなさまのご理解とご支援なくしては成立いたしません。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 さて皆さん、皆さんのほとんどの方は中学入試に向けて、努力を重ねていらっしゃったことかと思います。特に最後の一年、この一年はコロナ禍での受験準備だったと思います。本当に大変でした。皆さんの努力が報われて本当によかったと思います。でも皆さん、家に帰り、テーブルに向かえば、暖かい食事が出てきていた。塾が終わればお父さんやお母さんがお迎えに来てくださっていたのではありませんか。家に帰ればいつも清潔に洗濯された服が畳んで置いてある、皆さんそれが当然と受け取って生活されてこられたと思います。コロナが収まり、これから宿泊研修が行われます。自分の事は自分でしなければならなくなります。その時に初めてご家族のありがたさが分かることでしょう。この6年間で今までの居心地の良い環境に浸るだけでなく、少しずつで結構です。自分でできることを増やしていってください。

 皆さん大人になる準備をしなければなりません。この中学校・高等学校の6年間はとても重要で大切な時期です。皆さんが大学に行って何を学ぶのか、大人になってどういう仕事をして社会と関わりを持ちながら生きていくのか、という為の土台を作る準備の期間です。子供から大人へとなる大切な時期です。可能な限り、あらゆることに挑戦していきましょう。

 皆さん何もしなくても、何かを一生懸命しても、皆さんに与えられた時間は公平です。6年しかありません。今の皆さんに申し上げたいことは、今皆さんには大きな可能性と未来が待っているということです。今の皆さんはどんなものにでも、何者にでもなることができます。条件が付きますが、諦めない限り、自分に限界を置かない限り、それは可能になります。その時に必要なものがあります。なんでしょうか。1つではありません、2つ3つあります。それは皆さんの「やる」という強い意志、強い気持ちが大切です。そして努力を積み上げること、これも大切です。もう一つ大切なもの、それは仲間です。人から与えられた目標ではなく、自分自身で探し求めて見つけたこうありたい自分になる為にひたむきに努力を積み重ねてください。その努力を積み重ねて来た人たちにだけ、もたらせる深い喜びと満足を是非皆さんに経験していただきたい。皆さんは6年後や10年後の自分の姿が見えていますか。まだ見えていないと思います。目指す山が高い程、頂上には雲がかかっていて見えません。ある程度登っていかないと頂上はみえません。みんなでこれからそういう山を登って行きましょう。皆さんがこうありたい自分になる為に、私達は最大限の支援を惜しみません。これから皆さんが「明日につながる学び」を実践されること、教職員一同で応援してまいります。

 では張り切って出発していきましょう。

2021年4月3日 理事長 西 泰子