学年教員を代表し、謹んでご挨拶申し上げます。

 夙川高校一期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。教職員一同、皆さんの晴れの日を心からお祝い申し上げます。保護者の皆様、ご子息・ご息女のご卒業、おめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。またこれまで本校教育に対するご理解と、多大なるご支援・ご協力を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 さて、皆さんが高校に在籍した3年間を振り返ろうと、昨日お配りした卒業アルバムのページをめくりました。今からちょうど2年前、高校一年生の3学期を境にマスク姿の写真に切り替わりました。この3年間はやはりコロナ感染を除いては語れないように思えます。そこで3つの事を皆さんにお話ししたいと思います。

 コロナ感染が拡大する中、窮屈な思いや、諦めなければならない事、不便さや、思うように行かない事がたくさんあったと思います。辛いことや不安な事もたくさんあったと思います。その中で、日々の授業を受け、部活動に励み、大学受験や就職活動に挑み、見事に進路を勝ち取りました。その道のりは平坦なものではなかったと思います。皆さんは本当に良く頑張ったと思います。私の1つ目の話は、皆さんへの心からの賞賛です。

 このコロナ感染は私たちに困難と試練を与えました。しかし、困難や試練は同時に多くのものを学び私たちに成長の機会を与えるものです。そこで、私たちは何を学び、どのような成長を遂げたのかを整理したいと思います。先ず、健康の大切さを知り、健康管理が出来るようになりました。自身の感染だけではなく、家族の感染も心配することから、家族を思いやる気持ちが育まれたと思います。制約の多い生活の中で忍耐強くなりました。ステイホーム期間、私たちは自己管理の難しさを理解しその方法を模索することで、自己管理を深めることが出来たのではないでしょうか。規則正しい生活を自分自身で続けること。当たり前の生活がいかに貴重であるかと気づかされました。ソーシャルディスタンスが唱えられる中、仲間の大切さに気づきました。また、社会が一致団結して困難に臨む重要性も理解出来ました。不安を乗り越える力強さを身につけたと思います。緊張感を持った生活を送ることも出来ました。1人で過ごす時間の良さ、あるいは寂しさを感じたのではないでしょうか。学校など自分が所属する組織や団体との関係性に改めて気づいたのではないでしょうか。私の2つ目の話は、コロナ禍の中でも、皆さんは多くの事を学び、気づき、着実に成長を遂げてきたのです。そのことを認識し、自信と希望を持って、前に進んで欲しいと言うことです。

 私たちの周囲に目を向けると、私たちが今日生きているのも高校を卒業できるのも、直接的に関わる人、あるいは、名も知らず話したこともない多くの人々に支えられてのことです。コロナ感染の経験から私たちが本当に学び、最も感じ取らなければならないことは、そのような人々への感謝の気持ちと今日なお苦しんでいる人々への理解といたわる優しさではないでしょうか。コロナ感染はまだまだ終わりが見えない状況ですが、私たちは感謝の気持ちと優しさを持って歩んでいきたいと思います。これが3つめの話です。

 最後に1つ付けたしです。私は高校を卒業して長い歳月が過ぎ去りました。しかし、高校時代の友人は今でも特別な存在です。社会的地位や経済力を抜きにして、お互いに心を開き、高校時代の思い出話や時には馬鹿なことを話すことが出来ます。このことに、どれだけ救われたか分かりません。皆さんも今ここに集う仲間を特別な存在として大事にしてください。以上、私の挨拶とさせていただきます。

2022年3月5日 K3学年 学年部長 下地 英樹