冬の厳しい寒さも和らぎ、徐々に春の暖かさが感じられ、いよいよ春めいてまいりました。本日、私たち1期生54名は夙川中学校を卒業します。
 理事長先生、学園長先生。本日はこのような素晴らしい卒業式を挙行してくださり、ありがとうございます。

 2019年4月。私たちは新しい生活への不安や緊張、それを上回る大きな期待を胸に夙川中学校に入学しました。
 あれから3年が経ちます。特にここ2年間は新型コロナウイルスの影響により、少し先のことすらもわからない日々を過ごしました。緊急事態宣言により休校となり、急遽オンライン授業に切り替わりました。模試は自宅受験となり、海外研修は無くなり、国内の宿泊行事の実施でさえ危ぶまれることもありました。しかし、私たちはその中でもできることは全力でやり切ったと思います。

 特に印象に残っているのは、今年実施された高野山キャンプ、古都研修、ウィンターキャンプです。これらのキャンプでは「生徒主体で動く」というのが共通の目標としてありました。 高野山キャンプと古都研修では、リーダー達が、悩みながらも先頭に立って指揮を執る姿を目の当たりにして、人をまとめることの難しさを感じました。そして、生徒主体で動くにはリーダーだけが頑張ればよいわけではなく、集団全体が責任を持って自分の仕事を遂行し、協力することが不可欠であることも学びました。私もウィンターキャンプで、初めて食事係のリーダーになりました。初めは配膳が間に合わず全体に迷惑をかけてしまいましたが、同じ係のリーダーとの話し合いを重ね、係にあたっていないS1のサポートもあり、最終日にはいつも以上にスムーズに進めることが出来ました。私はこのキャンプで、次々と起こる問題に対して限られた時間の中で改善策を考えていく大変さ、自分の判断に自信と責任を持つことの大切さを学びましました。自分と仲間を信じて最後まで成し遂げることで、何ものにも代えがたい達成感を得ることができ、新たな自信へと繋がることもできました。

 私たちは1期生として、「須磨学園夙川中学校の伝統を作っていくんだ」という意欲に満ち溢れています。時には前例がないから、何をすればいいのかわからないという場面もありました。 しかし、学年団をはじめとする夙川の先生方は、そんな私たちを自由な発想で引っ張ってくださいました。新型コロナウイルスの影響で休校になった時には、学びを止めないようにいち早くオンライン授業を取り入れ、出来ないことが増えていく中で、私たちが少しでも楽しい学校生活を送れるように工夫を凝らしてくださいました。
 そして、理事長先生。理事長先生はどんな行事にも駆けつけてくださいました。特にJ2学年のサマーキャンパスで、私たちにバーベキューを振舞ってくださったことは今でも覚えています。いつも大きな愛情で私たちを応援してくださいました。

 学園長先生。高野山キャンプではご自身の体験談を話してくださり、その後一人一人の質問に丁寧に答えてくださいました。先生のお話を受けて、自分がしていて楽しいと思えること、好きなことを将来仕事にしたいと強く思うようになりました。

 この3年間、様々な方のサポートのおかげで私たちはここまで成長することが出来ました。本当にありがとうございました。
 1期生の皆さん。私たちは、勉強はもちろん、文化祭や体育祭といった行事、部活動・生徒会など、どんなことにも真剣に取り組み、そして本気で楽しむことのできる学年です。この3年間、一人一人が個性を活かして自分の場所で輝いていました。同級生が活躍している姿を見ると、かっこいいなと憧れを抱くとともに、置いて行かれないように私も頑張らなくてはと励まされました。皆さんに刺激され充実した日々を過ごせました。本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、私たちは4月から高校生になります。一人一人がなりたい自分になるために今まで以上にそれぞれの道へ向かうこととなります。時に失敗することや辛いこともあるでしょう。ですが、たとえ困難な状況にあったとしても、諦めることなく、仲間と助け合いながら、自分を信じて乗り越えていきましょう。そして、家族を含めて支えてくださる全ての方への感謝の気持ちを忘れず、一日一日を大切にしてこれからの生活を有意義なものにすることを誓います。

2022年3月18日 卒業生代表 野口 優月