桜のつぼみも膨らみはじめ、ようやく日増しに春めいてまいりました。本日、私たち101名は夙川中学校を卒業します。理事長先生、学園長先生、本日はこのような卒業式を挙行してくださり、ありがとうございます

 私たちの中学校生活は2020年4月、おそらく前代未聞であるオンラインの入学式でスタートを切りました。映像授業が始まり、理想と違った新しい学校生活に、ここにいるほとんどの生徒が不安を覚えたていたはずです。いつになったら先生や友達と直接会えるのだろうか、いつになったら登校できるのだろうか、手洗いうがい消毒など感染予防に縛られる日々の中でもどかしさを感じ続けていたと思います。ですが、私たちはこの三年間、損したことなど何ひとつもありません。大変な状況の中でも、私たちは沢山の人に支えられながら日常を取り戻すために毎日生きてきました。そしてそのことによって私たちはより強くなれました。その過程の中で支えてくれた両親、友人、先生など多くの方々に心から感謝します。

 私たちは非常に幸運ながら、体育祭や文化祭、サマーキャンプなど、コロナ禍にあるにも関わらず、様々な行事を行うことができました。全ての行事を通して、全員で協力して成功させる姿勢が身に付き、結束感が強まりました。私が行事の中で最も記憶に残っているのはアジア研修旅行です。アジア圏の一員としての自覚を持ち、日本とは異なる文化や歴史を自分自身の目で学ぶことができました。ベトナムでは、戦争証跡博物館やクチトンネルでの見学を通して教科書だけでは学べない戦争の事実を、自分の肌で感じ取りました。マレーシアでは、文化や宗教の理解を深め、モスクやニョニャ料理など、日本にはない文化体験をすることができました。シンガポールでは、シンガポール大学の見学や街の風景から多様性の国の様子を学ぶことができました。三カ国を訪れ、日本との国の豊かさの違いを認識させられるような場面も数多くありました。自分はこれから何をして、何を、どのように変えられるのか、自分自身の未来や可能性を考えさせられた旅でもありました。アジア研修旅行で学んだことを忘れないように胸に刻み、必ず将来に活かします。この研修旅行を実現してくださった先生方や、快く行かせてくれた両親に心から感謝しています。ありがとうございました。

 理事長先生。理事長先生は私たちの大事な日の応援にいつも駆けつけてくださいました。アジア研修旅行での見送りはもちろん、J1の時、初めての登校日に健康坂の上で手を振って声をかけてくださったことを今でもはっきり覚えています。あらゆる面から私たちを支え、育ててくださり、ありがとうございました。

 学園長先生。高野山サマーキャンプでは、「働くこと」について講話をしてくださり、一人一人の質問にも真剣に答えてくださいました。学園長先生は、私たちの将来の夢の幅や可能性を広げてくださいました。ありがとうございました。

 そして学年団をはじめとする先生方。先生方は、私たちの飛躍のために、3年間引っ張ってくれました。新型コロナウイルスの影響で学校にいけなかった時には、私たちが少しでも早く、楽しい学校生活を送れるように尽力してくださいました。ありがとうございました。

 それから、お母さん、お父さん。お母さんは、私の悩みを聞き、いつも私に自信を持たせてくれました。私にとってお母さんは最強の存在です。お父さん、時には冷たくしてしまうこともあったけど、私はお父さんを尊敬しています。お母さんとお父さんには感謝してもしきれません。普段は素直に言えないけど、本当にいつもありがとう。これからも一生懸命頑張るのでどうか応援よろしくお願いします。

 最後に、2期生のみなさん。始めに述べたように、感染症の大流行など沢山の困難にも、私たちはお互いを信じて立ち向かって来ました。勉強では切磋琢磨し、高めあってきました。衝突することもあったと思いますが、行事などでは仲間が活躍している姿を一番近くでみてきました。皆さんの意欲に触発されて、私もここまで頑張ることができました。本当にありがとうございました。

さて、私たちは四月から高校生です。中学生活は長いようであっという間の年間でした。次の高校での三年間ではさらに飛躍し、ここにいる一人一人が自分の夢に向かって踏み出すこととなるでしょう。自分が最高級に輝けるよう、支えてくれている人への感謝を忘れずに、これからも全力で突き進んでいくことをここに誓います。

2023年3月17日 卒業生代表 宮川 優菜