暖かな陽光が差し込み、ますます春の訪れを感じる季節となりました。本日、私たち3期生 118名は夙川中学校を卒業します。理事長先生、学園長先生、本日はこのような素晴らしい卒業式を挙行してくださりありがとうございます。

 2021年4月。私たちはコロナ禍と呼ばれる状況の中で、不安と期待、加えて新型コロナウイルスへの恐れを抱きながらこの講堂で入学式に参列しました。最初の一年はZoom授業も多く、慣れないマスク生活の中で特に不安が多い日々でした。また、人数が多いため三クラス編成から四クラス編成になった時には皆驚きを隠せない様子だったことを覚えています。しかし人数が多いからこそ私たちの学年は活気があふれている、私はそう感じます。勉強などでは日々研鑽し、行事ごとでは全力で楽しみ、いつも笑顔が絶えないところは他の学年にはない良いところだと思います。私自身も笑うことが多くなり、笑うことで腹筋を鍛えています。

 行事というと、印象に残っているのは二回の海外研修旅行です。アジア研修では、主にベトナム戦争の歴史や、その悲惨さを学びました。戦争証跡博物館にあった、人々が攻撃から逃げ惑っているようなとても生々しい写真には胸を打たれました。戦争は絶対に起こしてはいけないものだと痛感し、未来を担っていく私たちが再び戦争を起こさないようにする役割があると強く感じました。アメリカ研修では世界一の超大国に行って、その優れた技術の歴史や文化の違いを学び、改めてアメリカに関心がわくとともに、母国である日本のありがたさを感じました。文化の違いでは、特にNASAの中で出てきた、巨大ハンバーガーが今でも記憶に鮮明に残っています。また、交流会でアメリカの学校の講堂で隣に座った現地の学生に話しかけ、なるべく会話が続くようにしてみました。しかし、思ったよりも相手に言葉が伝わらなくて自分の英語力がまだまだ不完全であることを目の当たりにしました。しかしその直後に日本を紹介するプレゼンテーションが始まり、スクリーンに桜の写真が映された時、その学生が「さくらですか?」と日本語で言ってくれて相手が私と会話を続けようとしてくれていることが分かり弾む気持ちになりました。

 理事長先生。理事長先生はどんな行事にも来てくださり、いつも私たちを見守ってくださいました。アメリカ研修旅行の解散の時に理事長先生がわざわざ空港まで来て「お疲れ様でした。」と笑顔で言ってくださった時にはとても安堵感を覚えました。ありがとうございました。

 学園長先生、高野山キャンプではお忙しい中私たちの講話の時間を設けてくださり、また一人一人の質問にも丁寧に答えていただきました。あれ以来、単語帳を食べる勢いで毎日努力しております。さらには今まで以上に自分の好きなことについて考えることができるようになりました。ありがとうございました。

 それから学年団をはじめとする先生方。初めは注意されることが多く、時には厳しい印象を受けることもありました。しかし今思えばそれは自分で考えて行動できるようになるための指導だったと理解することができます。ありがとうございました。

 3期生の皆さん。皆さんとは入学直後は初対面でしたが、一緒に過ごすにつれ徐々に親近感がわいてくるようになり、今では私にとってかけがえのない仲間になりました。また、クラス対抗の行事では異様に盛り上がる学年でもあり、事あるごとにクラスで競争をしているという印象を持っています。でも皆さんはそうして団結力を磨いていったんですよね?そんな皆さんにつられて、私もここまでやってこられました。本当にありがとうございました。

 最後になりましたが、保護者の皆様。私たちがこうして日々学業に打ち込めたり研修旅行など全力で楽しめたりするのは、私たちの後ろにいつも保護者の皆様がいて生活を支えてくださっているという安心感があるからこそです。本当に、ありがとうございます。

 私は三年間で学んだことを胸に、これからなりたい自分になれるように日々精進していきます。お世話になった皆様、まだまだ迷惑をかけるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

 さて、私たちは四月から高校生になります。まだまだ実感がわかないと思います。もしかしたら今まで以上の困難に直面する中でくじけそうになったり逃げ出したくなったりすることもあるかもしれません。ですが私たちは、そのような時でも間違うことを恐れず、前向きに取り組み挑戦し続けていくことを誓います。

2024年3月15日 卒業生代表 大槻 小百合