長く厳しい寒さが続いたこの冬でしたが、会下山の桜は、皆さんのご入学を待ちわびていたかのように、今日、満開です。どれほど冬が長くても春は必ずやってくるという、そのことを感じさせてくれます。今日という日を、私たちは大変嬉しく思っております。
たった今、入学を許可された夙川高等学校共学第8期生23名、中高一貫第5期生78名の皆さん、ご入学おめでとうございます。
高校から新たに入学された皆さん、そして中学から進学された皆さん、それぞれ異なる道を歩んで今日を迎えられましたが、今日この日からは、同じ夙川高等学校の生徒として新たなスタートを切ることになります。私たちは、皆さんのご入学を、そして進学を、心より歓迎します。これからの3年間、どうぞよろしくお願いいたします。
また、保護者の皆様におかれましては、お子様のご入学、ご進学、誠におめでとうございます。本校の教育は、保護者の皆様のご理解とご協力なしには成立いたしません。これからの3年間、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、新入生の皆さん。皆さんは今、それぞれの思いを胸にこの場にいらっしゃると思います。新しい環境に期待を抱いておられる方も、また不安を感じておられる方もいらっしゃることでしょう。
しかし、これからの3年間は、皆さん全員にとって等しく与えられる時間です。この3年間は、学習面においてだけでなく、皆さんが人として大きく成長される大切な期間です。この時期なくして、人としての成長はありません。
私は皆さんに、たくましい理性と、みずみずしい感性、そして温かい心を培っていただきたいと思っております。
3年もある、ではなく、皆さんには3年しかありません。皆さんの可能性は大きく広がっていますが、時間は有限です。だからこそ、皆さんにお願いがあります。今、決めてください。自分は頑張ると。一生懸命やると。努力を積み重ねる人間になると。その決意をしてほしいと思います。夙川のテーマである「Learning for tomorrow 明日への学び」、これを実践していただきたいと思っております。目標は高く掲げてください。高い目標があるからこそ、日々何をすべきかが見えてきます。何となく3年間を過ごさないでください。何となく過ごす3年間では、自分の望む未来にたどり着くことはできません。
姉妹校である須磨学園と同じテーマで、夙川高校は「自己実現」を教育のテーマとして掲げています。「なりたい自分になる」という言葉でも語っています。なりたい自分というのは、自分で決めるものです。しかし、なりたい自分というのは、自分一人で完結するものではありません。社会の中で人と関わり、どのような役割を果たすのか。それを考えてこその自己実現です。どうか考え始めてください。そして、夙川が皆さんに求めることは主体的な学びです。与えられるのを待つだけでなく、自らつかみに行く学びを実践してください。
今から3年後、皆さんの多くは大学入試に挑まれることになると思います。その頃には、大学入試は今よりもさらに大きく変化しています。問われるのは、単に知識の量だけではありません。考える力、経験を言葉で伝える力、そして他者と協力して物事を創っていく力です。
何よりも、皆さんが高校時代をどのように過ごしたのかが問われる入試になっていくと思われます。探究活動も部活動も、日々の学びも、全てが皆さん自身の蓄積となります。形だけではなく、自分の言葉で語ることができる経験を積み重ねてください。もちろん、学力は大前提です。机に向かい、知識を積み重ねる努力は欠かせません。その上で、知識をどう使うか、どう高めるかが問われることになるでしょう。
社会は常に変化しています。皆さんに求められる力も、これからさらに変わっていきます。その変化に対応できる人は、主体的に学び続ける人です。皆さんの前には広い世界が広がっています。そして、これから皆さんが登る山は、決して低い山ではありません。しかし、その山を登る道のりこそが、皆さんを成長させるのだと私は思っています。より高く登れば登るほど、見える景色は広がっていきます。3年後、卒業する時に、皆さんがどのような景色を見ているのか、心から楽しみにしています。
では、ここからスタートしましょう。共に進んでいきましょう。皆さんの健闘を祈っています。
2026年4月4日 理事長 西 泰子