おはようございます。今日で1学期が終わります。暑い日が続いていますので夏休みに入ってからも十分な睡眠と食事、水分・塩分の補給を心がけ、自分の体調を自分で管理してください。
さて、1学期の始業式で皆さんに「行動し、振り返り、修正し、また行動する。この繰り返しが自分を成長させる」と話しました。この1学期を振り返ってみてください。4月に立てた目標に向かってどのような行動ができたでしょうか。うまくできたこともあれば思うようにできなかったこともあると思います。ここで、単に「できた」「できなかった」で終わらせないことが重要です。なぜ、うまくできたのか。なぜ、続けることができなかったのか。次は、何を変えればよいのか。この三つを考えることが振り返りです。PM シートも活用しながら1学期の自分の行動を具体的に振り返ってください。
夏休みは学校生活がいったん止まり、自分で時間の使い方を決める期間です。自由な時間が増えるということは、自分で考え、自分で行動することが求められるということでもあります。もちろん夏休みには課題があります。課題はただ提出するために終わらせるものではありません。先生方は1学期の学習内容を定着させ、2学期の学びにつなげるために必要なものを考えて出しています。大切にしてほしいのは「丁寧に取り組むこと」です。分からないまま答えを写したり、期限の直前に急いで終わらせたりしても自分の力にはなりません。一問一問について自分は何が分かっていて、何をもう一度確認する必要があるのかを考えながら取り組んでください。特に、1学期のテストや模擬試験、確認テストで間違えた問題はもう一度見直してください。一度間違えた問題を次に正解できるようにする。それが学習による成長です。
そして、この夏休みに特に大切にしてほしいのが、自分の「得意」や「好き」をさらに伸ばすことです。夙川では「好きを伸ばす、得意を伸ばす」ことを大切にしています。自分が好きだと思えること、時間を忘れて取り組めること、もっと知りたいと思えることは、皆さん一人ひとりが持っている大切な力です。数学が好きな人は授業で学んだ範囲を超えて興味のある問題に挑戦してみてください。英語が好きな人は英語の本やニュース、映画などに触れ、教科書とは違う英語の世界を広げてください。理科が好きな人は身近な現象について調べたり、実験や観察に取り組んだりするのもよいでしょう。国語や社会が好きな人は本や新聞を読み、歴史や社会の出来事について自分なりに考え、文章にまとめてみてください。勉強だけではありません。音楽、スポーツ、美術、ものづくり、情報、読書、探究活動など、自分が興味を持っていることに普段より少し深く取り組んでください。好きなことに夢中になって取り組む経験は、知識や技術を身につけるだけではなく、集中する力、工夫する力、最後までやり抜く力を育てます。そして、その得意や好きが、将来の進路や専門性につながることもあります。最初から将来にどう役立つかが分からなくても構いません。「面白い」「もっと知りたい」という気持ちを大切にしてください。
夏休みだからこそ、すぐに成果を求めるのではなく、自分の興味を広げ、深める時間をつくることができます。自分の得意や好きを見つけること、そして、それを自分の強みとして育てていくこと。そのための一歩を、この夏休みに踏み出してください。
また、学校の学習だけでなく、さまざまな経験にも目を向けてください。本を読む、家族と話す、地域の行事に参加する、普段行かない場所を訪れるなど、日常とは異なる経験が皆さんの視野を広げます。経験したことをそのままにせず、「自分は何を感じたのか」「何を学んだのか」と考えることで、その経験は自分の力になります。
また、夏休みはスマートフォンやインターネットを使う時間が増えると思います。ネット上のトラブル、特にSNSの使い方には、これまで以上に注意してください。皆さんも普段から先生方に注意を受けていることだと思いますが、SNSやメールなどの文字だけのやり取りでは、自分の思いや意図が正確に伝わらないことがあります。軽い気持ちで書いた言葉が、相手を傷つけたり、誤解を招いたりすることもあります。また、一度送信した言葉や画像は完全に取り消すことが難しく、多くの人に広がってしまう可能性もあります。送信する前に「この言葉を相手に直接言えるだろうか」「相手はどのように受け取るだろうか」「誰かに見られても問題はないだろうか」と、一度立ち止まって考えてください。感情的になっているときには、すぐに送信せず、時間を置くことも大切です。大切なことや誤解が生じそうなことは、できるだけ直接話すようにしてください。インターネットは便利な道具ですが、使い方を誤れば、自分だけでなく相手の生活にも大きな影響を与えます。自分と相手の両方を守るために、責任ある使い方を心がけてください。
そして、もう一つ忘れないでほしいことがあります。それは、皆さんの生活が自分一人の力だけで成り立っているのではないということです。毎日の生活を支えてくれている家族、共に学び、励まし合う友人、授業や学校生活を支えている先生方や多くの方々がいます。普段は当たり前に感じていることも、決して当たり前ではありません。夏休みには家庭で過ごす時間も増えると思います。家族の一員として自分にできることを考えて行動してください。そして感謝の気持ちを、心の中だけでなく、できれば言葉や行動で表してください。人は一人で成長するのではありません。周囲の人に支えられ、また、自分も誰かを支えることで成長していきます。始業式で話したように、周囲の人に優しく接し、他人の失敗に寛大であり、自分のことだけでなく相手のことも考えて行動できる人であってほしいと思います。
最後に、高校3年生の皆さん。いよいよ皆さんにとって大切な夏が始まります。受験勉強において夏休みはまとまった時間を確保できる貴重な期間です。しかし、時間があるというだけで自然に力がつくわけではありません。求められるのは、その時間をどのように使い切るかです。高校3年生の皆さんはPM・TMの使い方は十分に分かっているはずです。ただ記入するのではなく、受験生として本当に実行できる計画にすることが必要です。「時間があればする」「できるところまで進める」という計画ではなく、何を、いつ、どこまで仕上げるのかを明確にしてください。そして、計画どおりに進んでいるかを毎日確認し、遅れや課題があれば、すぐに時間の使い方を修正してください。PM・TMは記入して終わるものではありません。自分の学習を自分で管理し、必要な行動を確実に積み重ねるためのものです。この夏はPM・TMをこれまで以上に使い切り、自分が決めたことを一つひとつ実行に移してください。
勉強しても思うように成績が伸びず、不安になることもあるでしょう。周囲の人が自分より先に進んでいるように見え、焦ることもあるかもしれません。しかし、成長の表れ方は人によって異なります。努力したことがすぐに模擬試験の結果に表れるとは限りません。目に見える結果が出ない時期にも、皆さんの中には確実に力が蓄えられています。結果に一喜一憂せず、今の自分に必要なことを見極め、「やるべきことを、やり続ける」ことを心がけてください。苦しくなったときには周囲を見てください。皆さんのそばには同じように目標に向かって努力している仲間がいます。そして、皆さんを支え、応援している先生方や家族がいます。決して一人で受験に向かっているのではありません。
「あわてず、あせらず、あきらめず」、一日一日を大切にしてください。そして夏休みの終わりに「自分がやるべきことを明確にし、一つひとつやり切った」と胸を張って言える夏にしてください。
皆さん一人ひとりが、自分の目標に向かって力強く前進することを心から応援しています。それでは全校生の皆さん、健康と安全に十分注意し、それぞれの得意や好きを伸ばし、自分の目標に向かって行動する充実した夏休みにしてください。
2026年7月18日 高校校長 土屋 博文