全校礼拝が行われました

高等学校

中学校

11月25日(水)、全校礼拝が行われました。
20150415_01 
聖書   ルカによる福音書1:26-31
メッセージ    「アドベントによせて」        樋口 進 牧師

キリスト教では、クリスマスの前の4週間をアドベントといいます。今年は、11月29日(日)にアドベントが始まります。そして、中高では、12月21日(月)にクリスマス礼拝が行われます。アドベントというのは、「到来」という意味ですが、日本語では「待降節」と言います。アドベントは、キリストの降誕を待ち望む時期と言うことです。

さて、今日読んだ聖書の箇所は、マリアが天使によって受胎告知をされる記事です。この物語は、歴史を通して、世界の多くの人々に大きな感動を与えてきました。ルネッサンスの画家レオナルド・ダ・ヴィンチやボッチチェリなども有名な「受胎告知」の絵を描きました。また、エル・グレコも素晴らしい「受胎告知」を描いていますが、これは倉敷の大原美術館にあります。それぞれの画家が、それぞれの思いを持って描いています。マリアがとても困惑した表情の絵もあれば、むしろ堂々とした絵もあります。そしてしばしばマリアは百合の花を持っています。しかし、聖書には、マリアが百合の花を持っていたとは書かれていません。この百合の花は象徴的なもので、純潔を表します。マリアが純潔のうちに身ごもったことを表そうとしたのです。

「受胎告知」は、マリアがまだ結婚する前に身ごもったことを天使に告げられる記事です。マリアは、そんなことを告げられて、非常に戸惑いました。こんなことは私たちの頭では考えられないことです。こんなことは、科学の発達した現代であるから信じられないのではなく、昔からそんなことは考えられないことでした。ここでマリアも、「どうしてそんなことがあり得ましょうか」と言っています。そしてここで天使の言ったことは、35節に記されています。

聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。

さらに37節では、神にできないことは何一つない。

と言いました。この天使ガブリエルの言葉に、マリアはもはや「どうしてそのようなことがあり得ましょうか」とは言いませんでした。今度は彼女は、素直にそれを信じました。

そして、38節において、わたしは主のはしためです。お言葉通り、この身に成りますように。

と言いました。しかし天使の言葉によって、神が大きな業を起こそうとしていることを信じたのです。そして、困った事態になると思われたにもかかわらず、その事態を受け入れたのです。

ここにマリアの素直な信仰があります。世界中でマリアが尊敬されていますが、それはこの素直な信仰のためです。そして、わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように。

と言ったのです。これは、自分を全く神に委ねた態度です。私たちも、私たちの頭で考えられないことに「どうして、そのようなことがありえましょうか」と疑い、それと共に不安や恐れを抱くのでなく、神が私たちを救うために実に大いなる御業をなして下さったことを、心より信じるものとなりたいと思います。