全校礼拝 「愛とは」 Ⅰコリントの手紙13章4-13節

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2019年1月25日(金)の全校礼拝にて、宗教主事の樋口学院長が、
Ⅰコリントの信徒への手紙13章4節-13節 「愛とは」と題して、お話をしてくださいました。

皆さんにとって、一番大事なものは何でしょうか。
勉強をして知識を身につけること、友達、趣味、家族、いろんなことがあると思います。しかし、長い人生を生きていく上でもっとも大事なことは何でしょうか。

このコリントの信徒への手紙を書いたパウロというキリスト教の伝道者は、私たち人間にとってもっとも大事なのは、信仰と希望と愛である、と言っています。恐らくパウロは人生にとって最も大切なものが、この信仰、希望、愛と思ったのでしょう。

これらは目に見えるものではありません。そしてこれらは決してお金で買えるものではありません。ですから、持とうと思えば、誰にでも持つことができます。本当に大切なものは、お金で買えるものではないと思います。

そしてパウロは、その中でも最も大いなるものは愛である、と言っています。
8節には、「愛は決して滅びない。預言は廃れ、異言はやみ、知識は廃れよう」とあります。ここに「知識は廃れよう」とあります。これは日々実感するものです。

特に最近の科学技術の発達は目覚ましいものがあり、私たちが学生の頃には想像もしなかったようなものが次々と現れています。パソコン一つにしても、皆さんはパソコンの使えない人は恐らくいないと思いますが、私たちが学生の頃は自分のコンピューターが持てるなどとは夢にも思っていませんでした。

今は、スマートフォンでいろんなことができます。
スマートというのは、「賢い」という意味ですが、まさにこれは賢いと思います。こんなものを自分が持てるなどとは、少し前までは思いもしませんでした。そして、今後はAIが人間の仕事を奪うとも言われています。このように、新しい知識が次から次へと出て来ます。

知識を身につけるということはもちろん大切なことですが、せっかく身につけた知識もいつかは廃れる、ということもまた事実です。私たちが学生の頃、最も新しく、最も便利だと思っていたものが、今やもうどこにも見ることができなくなったものがたくさんあります。

しかし、パウロは、人生を生きていく上で、廃れないもの、永遠のもの、本当に価値のあるものもある、と言います。そして聖書は、その本当に価値のあるものを私たちに示してくれます。

しかし、実際のこの世の歩みにおいては、どれが永遠のものか、どれが本当に価値のあるものかは、目先のものにごまかされて分からないのです。鏡に映すように、おぼろにしか見えないので、どれが本当のものか見分けがつかないのです。

しかし、信仰によって、本当に価値のあるものに目が開かれていくのです。
私たちにとって、本当に価値のあるものは、やがて廃れてしまうのではなく、いつまでも残るものです。

「最も大切なものは何か」ということは、それぞれ違うと思いますが、それを探求することも皆さん方の課題だと思います。

そしてパウロはそれが信仰と希望と愛である、と言います。その中でも最も大切なものは愛だ、と言います。これは、AIでは決して作れないと思います。それでは、パウロが考える愛とはどういう事でしょうか。

4-7節には、次のようにあります。

愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。
礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。
すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。

これを私と置き換えてみましょう。

私は忍耐強い。私は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。
礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。
すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。

そして、このような人は、きっと素晴らしい人生を送ることができると思います。